こんにちは。哲学・心理学好きのまるこです。
今日は、最近読んだ本がまさに「心を救う本」だったので、
色々な不安を抱えている人に読んでほしい!と思い、紹介したいと思います。
「最強! 」のニーチェ入門: 幸福になる哲学
- 人に視線が気になってしまう
- 自分の価値って一体…。と悩んでしまう
- 夫・妻の言動にいちいち腹が立つ
- 常になにかに不満を持っている
そんな方には必見です。
人生に意味なんてない!?ニーチェの教えをわかりやすく解説
この本は文庫本で、哲学者「ニーチェ」の教えを、わかりやすく読みやすくした本です。
ニーチェは「絶望学」の先駆者。
ほとんどの哲学者は、
・あなたには生まれた理由がある
・すべてには意味がある
と、教えて人生に救いをもたらしていますが、
ニーチェは逆。
あなたには生まれた理由はない
と言い切ってしまう、無慈悲な哲学者なんです。
登場人物2人の会話形式
この本の登場人物は、
彼氏や職場に不満をもっている女性、アキホと、
この本の作者で哲学作家の飲茶(やむちゃ)さんの二人。
一般的な考え方のアキホは、彼氏や職場、自分の価値の愚痴をこぼすのですが、
飲茶さんは、生きやすくなるには何をどうすべきか。ニーチェの考え方を紐解いて一緒に考えてくれます。
「現実」を見ることで、世界が変わる
アキホさんはこのように悩んでいます。
学生時代はそこそこできる方だったのに、社会人になったら全然うまくいかない!
お金も少ししかもらえないし、いい男は大抵彼女いるか結婚してる!
これ読んだ私「わかる〜〜〜〜〜〜」
でも、この中には、世の中のカラクリにひっかかっている部分がいくつかあります。
良いとされる定義って誰が決めたの?
さきほどアキホさんがあげた愚痴からは、こんな考え方が見えてきます。
- 社会人はテキパキこなさなければいけない
- お金はたくさんないといけない
- いい男じゃないとダメ(イケメン・高身長など)
この定義って疑ったことありますか?
たとえば、30までに結婚しなきゃいけないとか、痩せている方がいいとか、やりがいのある職に就く方がいいとか、
世の中には誰が決めたかもわからない、謎の定義みたいなのが多くあります。
ブラジルではお尻が大きいほどモテるし、スペインでは昼食のために学校から実家に帰るのは当たり前ですし、コロンビアでは遅刻1時間なんて日常茶飯事です。
そういった誰かが決めた理想世界のことをニーチェは「背後世界」と呼び、
背後世界があることを知り、現実世界を生きるべきと語っています。
例えば養鶏場のニワトリは、
「よく卵を産む」「騒がない」「太るのがいい」
とされるのは、ただの人間の都合であって、ニワトリ本来の生き方じゃないですよね。
背後世界を「幸せ」と定義して信じてやまない。
そうならなければ絶望してしまう。
そんなのよく考えれば、いや考えなくてもアホらしいでしょう?
道徳心って負け惜しみ?いい人の定義とは?
アキホさんは、彼氏に二股をかけられていました。
最低!考えられない!道徳心もないの!?
でも、よく考えてみてください。これもある意味「背後世界」のひとつ。
浮気は悪いって、誰が決めたんでしょうか?
ニーチェは、「道徳心は弱い人による負け惜しみ」という考えをしています。
一般的な道徳心や固定概念を捨てて、いったん冷静に考えてみると
それって人間の本能じゃないでしょうか?
誰だってかわいい女の子やイケメンに一斉に言い寄られたら最高ですよね?
現に日本以外では一夫多妻が認められた国もありますし、浮気が悪いことと決めているのはただの「背後世界」の考えであることがわかります。
負け惜しみから架空の価値観が生まれる
浮気だとちょっと伝わらないかもしれないので、
キツネが登場するイソップ物語をご紹介します。
キツネは高い木にあるブドウを食べたかったけど、ジャンプしても取れませんでした。
そのときキツネはこういいます。
「意地汚いから、葡萄をとるべきではない」
でも本当の気持ちのロジックはこうです。
- ブドウをとりたい
- 飛び上がったけど取れなかった
- ブドウはすっぱいに違いない!
- ブドウをとることは間違ったこと!だから俺は間違ってない!
完全なる負け惜しみですね。
惨めな現実の結果を受け止め切れないから、架空の価値観を作り出して、正しいとして納得する。
ひどく滑稽ですが、現代の世の中でもそれが横行しているということです。
ブドウを食べたい!=残業なしで帰りたい!
こうでいいんです!本能のまま生きましょ!
全てに価値がないと分かった上で見つける「希望」
アキホさんはニーチェの教えを知って絶望しました。
今まで「こうあるべき」と思ってた価値観が全て作り物なんて…。
そんな世界なんて、虚無。もう生きる意味ない。
しかしニーチェは「死ぬこと」すら価値を持ってはいけないといっています。
もはや、どうすりゃいいんだと言いたいレベルですね。
たとえ自分は価値がない存在と分かった上でも、絶望しかない世界でも、じゃあそれを丸ごと受け止めて、1つ自分が楽しいと思えることを見つけるのが大事
とニーチェは語っています。
「未来のために」という考え方も、未来は目に見えない背後世界。
過ぎてしまった過去ももちろん、囚われる必要のない背後世界。
人間は現実世界、「今、この瞬間」を生きていて、
本能的に楽しい!と思えるものを見つけて動くことこそ幸せ!
ということ。
あなた本人は架空ではないので
自分が楽しいと思うことは架空ではなく本物なんです。これ大事。
考えすぎず気楽に、なににも縛られずに済むって全部分かれば
もっともっとラクに生きれそうですよね(^-^)楽しいと思えばOK!
本の中ではもっと深く
- なぜ弱そうな人が「いい人」に見えるか
- 架空の価値観の元凶は、あの有名な宗教
- 絶望とはなにか
- 絶望から光を見つけ出す方法
など、かなりぶっ込んだ内容も解説されているので、めちゃくちゃ面白いです。
ぜひ読んでみてくださいね。